2013年9月1日日曜日

フィリピン留学体験記forFSP


北海道大学経済学部経営学科の工藤俊悟です。FSPには昨年第2回のフィンランドに参加しました。この記事は、僕が5月の下旬から7月の下旬から行っていたフィリピン、セブ島での語学留学についてかかれています。語学留学のことだけでなくて、この語学留学
とFSPの関係といった観点から述べるようにがんばりました。笑

英語が上がったとか授業がどうだったという観点ではあまりかいていません。フィリピンがどうだとも。あと明確に伝えたいことがあるというよりは、ぐちゃぐちゃです。
書いている内に明らかに自分のために書いてしまっています。そのため無駄に長いです。
少しずつ読んだり、飛ばして読んだり、最後だけ読むのが正しい読み方かもしれません。それぞれの方がそれぞれなにかおもってくれれば幸いです。さらになにかのきっかけとなればこんなにうれしい事はありません。


もくじ
はじめに
(1)語学留学の目的(目的論について)
(2)英語と伝えることについて
(3)フィリピンでの体験について、性別について
(4)日本人との関わりについて、若さ
(5)英語学習とモチベーションについて
(6)留学中の感情について
(7)FSPときっかけ論



帰国してから、この体験記を書きはじめようとするのに、一ヶ月以上はかかりました。なぜならば、頭の中がこの一ヶ月間、留学中のことであふれていたからです。客観的に反省せずにただただ、余韻に浸りたかったし、整理できなかったし、したくなかったからです。帰国後一ヶ月は留学中のことを思い出したくないのに自然に思い出したり、切なくなったりでした。帰国せずに、語学学校にいる友達の投稿をFACEBOOKでみたりするたびに叫びたくなっていました。帰国後、FSPのみなさんとあう機会があっても、それほど留学の事は話さずに、言葉を濁していたような気がします。なので、この記事をかくことによって、ある程度客観的に留学を反省し、具体的に体験を伝えられればと思います。


(1)目的について
はじめに、「語学留学の目的」についてです。僕は英語が特別、好きなわけではありません。TOEICやIELTSのスコアを伸ばすためとかそういう具体的な目標はなかったですし、日本語の学術書や小説も多くもっていったりしました。英語だけの留学にはしたくなかったので、(僕の英語についての考えは後述します。)日本人の方ともたくさんお話ししましたし、ストイックに勉強したわけではありません。むしろ後半の一ヶ月は遊んでばっかりいました。(ちなみに学生の比率はやはり韓国人が一番多く、その次が日本人、台湾人でまれにモンゴル人や香港からの留学生もいます。(ただ、時期によって違います。日本の学生の長期休暇期間である現在は、日本人が一番多いとも聞いていますし、逆に僕がいっていた時期は高校を卒業した台湾人の休暇期間であるため、台湾の若い方が多かったです。)

昨年、FSPに参加したことにより、「目標設定の大切さ」はものすごく実感しましたし、「能力に目標をあわせるのではなく、目標が能力を引き上げる」という尊敬する方の言葉にも出会えました。しかし、その大切さは理解しつつも僕は明確な理由をつくることはできませんでした。しいていうなら「英語の敷居を下げたかった」「楽しそうだから、やりたいから」「お金は自分のお金できているし、デメリットはないから」「異なる環境に身を置きたかった」などでしょうか。この留学はなにかの手段に、次のNEXT STEPのきっかけになるだけでなく、それ自体をよいものにしたいという思いが強かったです。あとは予想していないものに出会うのが楽しみでした。

ただ、現段階で求める英語のレベルははっきりしていました。FSPの経験から英語は手段でしかないということを学びました。英語がすこししか話せなくても、他の部分で通じるものを大切にしたいという思いがFSP参加前からありました。しかし、外国人を、名前をある1人の人間としてみるためにはそれなりの英語力が必要なことも気づいたので、レベルとしてはそこが目標でした。少しの英語力しかなければ、話す内容はやはり限られてしまうと僕は思います。(居住地・日本のアニメ・漫画のことなど)ただの韓国人・台湾人・フィリピン人という枠にあてはめるのではない、1人1人性格も考えも違う個々人の人間として接する英語力。少しかっこつけていえばそんなところです。笑



(2)英語と伝えることについて
前述したとおり、僕は英語を手段だと思っています。とても大事だけれどそこまで大事じゃないとも思っています。例えば、英語をしゃべるだけなら、ネイティブの小学生でもできるわけです。フィリピン人の先生もTOEICのスコアはある程度もっていましたが、自分で彼ら彼女らは「英語しかできない。知らないことは多い」と言っていました。世界で一番人口の多い国がどこか知らない先生はたくさんいましたし、アンネの日記についてはほとんどの先生が知らないことに驚きました。(もちろんこの一文は、フィリピン人の方を学力的に劣っているといっているわけではありません。)
なので、僕の考えとしては、大学生活、英語をもっと勉強しておけば本当によかったと思う反面、日本語でたくさんのことを学べる機会があることにも感謝すべきだと思います。

とはいうものの、英語がもっと大事だなと思う経験も。授業で環境問題について議論するものがありました。環境問題については、自分の考えはもっていたので、「よっしゃ!いってやる!」と意気込んでいましたが、いざ発表してみると、発音を注意されて終わってしまうというくやしい経験をしました。なので、やはり最低限の英語力は必要です。結論として、英語は全てではなく、スタート地点の一部でしかないと言うのが僕の考えです。日本語の美しさや多様さを僕は大好きですし。

伝えるための手段の一部が英語だという話はしましたが、他にも伝える手段はたくさんあります。笑顔や爆笑、雰囲気、顔つき、行動、涙、あとスポーツや音楽。笑顔や爆笑はやっぱりみるとどの国の人もうれしい気持ちになるし、万国共通です。僕はバレーが大好きなので、バレーボールを現地で購入したのですが、友達と2人でバレーをしていると知らず知らずのうちに人があつまってきたり。エキサイトして初心者の子の顔面にボールをぶつけてしまいその子のめがねを粉砕してしまうということもあって泣きそうになりましたが、それもいい経験です。音楽も万国共通です。マンツーマンの先生とイヤホンを共有して一緒にビートルズやビーチボーイズの曲をうたったり。


今、僕達がここにいて、先人から命が続いているということは、考えてみれば言語が発明されるはるか昔から、しっかり人は他者に「伝える」という事ができていた証拠です。


「むかしから人は言葉に頼らずに想いや恋心伝えてきたんだ」(僕が大好きなGLAYの歌詞です笑どうしても引用したかったのです。ごめんなさい。。。)


もちろん英語はシンプルですが、英語から感情を感じたのも実は初めての経験でした。「最初は日本人に対していいイメージもってなかったけれども、留学きてから日本人が大好きになった」と(英語で)いってくれた韓国人の女の子。彼女はこの言葉をいった数日後に日本人の方と交際を始めていました。

「しゅんごがいなくなると、ほんとうにさびしくなるなぁ」といってくれた31歳の韓国人のルームメイト。彼とは伊藤博文と安重根をネタにしたギャグを開発したりもしました。

History is just History.」といってくれた彼の言葉。いつでも気をかけてくれた彼は
最高のルームメイトでした。

 やはり、普段使っている日本語が制限される環境に身をおくことで、伝える手段である、言語の強さも感じましたし、逆に言語以外の部分で伝わるものの大切さも再確認させられました。



(3)フィリピンでの体験について
まず衝撃的だったのは、男の先生はゲイの先生がほとんどだということです。僕は人生でこれまで出会った人の中でおそらくゲイの方はいなかったので最初は正直とまどったりもしました。しかし、彼らと接していくうちに、優しいし、陽気だし、性別はあとからは気にしなくなっていきました。このような、自分がこれまで体験したことのない、自分とは違うものに対する扱い方、感情というものはなかなか同じ場所にいては経験できないと思います。

僕はゲイの方の人生とかにものすごく興味があったので、一時間ずっとゲイについて話したりもしましたが、みなさんは”gay“という言葉の本来の意味をご存じですか。

それは、もともと現在使われている「同性愛の」「ホモの」という意味ではなく、「陽気な」「快活な」という意味だそうです。僕が学校でであったゲイの方はまさにその通りの方々で、才能にあふれていました。彼らがみせたゲイティーチャーズがみせるダンスのクオリティの高さには驚愕しました。

特殊な体験としましては、以下のようなものです。ストリートチルドレンのボランティアに先生といってスイス人と貧困の質について話したり。ある学生団体のアクティビティで小学校にいってpureな笑顔にふれたあと3人のりバイクでいった子供たちが住んでいる山では、空気が抜けたボールで2時間くらいバレーボールをしたり。靴を履いていない子が多かった。よさこいを練習して披露したり。バレーしたあとにプールに飛び込んだり。少しだけ、厳しい校則をやぶったり(校則をやぶるなんて素敵な経験、高校卒業してからできるなんておもってもいませんでした。)夕食後、スプライトやコーラを手に友達と話したこと。ダイビング挫折。海。1泊2日の小旅行。どれも素敵な経験でした。



(4)日本人の方との関わりについて、若さ。
僕は前述のとおり、英語だけをストイックに学ぶ気はさらさらなかったので、日本人の方との関わりを切る気は全くありませんでした。僕が留学していた期間は5月下旬~7月下旬だったため、日本の大学生の長期期間の時期とはかぶりません。すなわち。この期間にいる人たちは自分と同じように、休学していたり、会社を一回辞められてきている方がほとんどでした。日本人以外の方を含め、年上の方が多かったのですが、ものすごく若く見えたし、素敵な方ばかりでした。進学校の高校に通っていたのにもかかわらず、大学入学試験をうけずに、浪人を予備校で普通にせずにフィリピンにいた男の子。反対に超有名大学在学中の超体育会系の方。彼は自分がこの大学に入れたのは、目標があったからだといっていました。英語を勉強するのではなく、建築のために発展途上国をみてみるためにきたといっていた方。フィリピンでの生活を心が洗濯されるようだといっていて、フィリピン後は世界一周をしている方。同期の中では最年長だったのに、むちゃくちゃ若くて青春againしていた方。ジョブズに憧れ、なにかをなしとげると強い決心をもっていた方。イケメンで僕の友達に似ている優しい先輩は将来のお嫁さんとこの学校で出会いました。ここにはかききれませんが、本当にさまざまな方がいて、受けた影響は大きかったです。人の数だけ人生があるという当たり前なことを本当に実感できたことは、12月からおそらく就職活動をする上での僕自身の励みになりそうです。基本的に韓国・台湾人と話すときは英語であり、敬語がいらなかったので、年齢をまったく気にせず、友達になる経験というのも初めてでした。

21歳22歳という年は大学の中にいては年長者で、結構大人になった感じがしていましたが、あらゆるところで、年齢をいうと若いな~!いいな~!学生の内からこれてうらやしいよ~!といわれたので、この若さを大切にしようと思います。(young oh oh!



(5)英語学習とモチベーションについて
英語を勉強する(特にspeaking)1番のモチベーションは「もっと伝えたいことがあるのにこの英語力じゃ伝えられない。」「もっと仲良くなりたいのに、この英語力じゃ足りない」といったある種の欠乏感だと思います。

それはなかなか日本にいて、1人で勉強したり、日本人と英会話を勉強する中では見えてこなかったものでした。日本人との会話には素敵な日本語があります。

自分の気持ちを伝えたいと思うような友達などをもつことがいいと思います。

僕は後半遊んでばかりいたといいましたが、それはとても大切な時間だったと思います。いろいろなスタイルの留学があると思いますが、僕が優先したのは、もっと仲良くなりたい人と過ごす時間だった気がします。期間は2ヶ月という短い期間でしたが、最適な期間だったと思います。

readingについては、はじめて英語の本を買いましたが(アンネの日記)読み終わったのはここ最近でだいぶ時間がかかりました。笑 不真面目な学生だったかも知れないです。



(6)留学中の感情について
最初は帰りたくて、帰りたくて仕方在りませんでした。笑
空港に着いたのは真夜中で降りた瞬間のじめってした感じがいっきに不安を呼びましたし、「そもそも本当にきたかったけ?笑」「期間短くしよう。」とか思っていました。笑
(しっかり強い決断や目的があってきたわけではないのですから当然といえば当然ですが。ただ目的や利益にとらわれすぎて、予想もしなかったものに出会う体験をやめてしまうのはもったいないと個人的には思います。)

さらに大好きな某バンドの女性ボーカルが妊娠していたことも発覚し、メンタルはボロボロでした。一日は長く感じましたし、最初は友達もいなかったし(僕は無理につくろうとするスタンスができないので笑)、授業が6時20分に終わってからは、疲れ切って、ベッドにいってまず寝る。音楽を一時間くらい聴く、食事はなるべく人が少ない時間に1人で食べる、やることなくなって疲れもとれてから自習室にいく。日本の人と連絡を取る。再び寝る。この繰り返し。休日は休日で大好きなカフェをみつけたのでいりびたったり。全くアクティブではなく、優しいルームメイトにはいつも心配されていました。最初の一週間がつらいというのはやはりだれでも同じらしいです。でも人間はなれる生き物なので大丈夫!笑


しかし、終了の日が近づいてくるにつれて、本気で期間を長くしようと考えるまでにもなっていました。結局、終わりがあることの大切さに気づいて、それはやめたのですが、ものすごく感情は複雑で、「帰りたいけど帰りたくはない」という感情になっていました。最終日は四回泣きました。笑

僕はたくさんの感情を味わうということを大切にしたかったので、その意味でもこの留学はかけがえのないものとなりました。

僕は小学校からはずっと札幌で、転校もなく、旅立ちもなく、今まで日本の家族や友達といった当たり前の存在から長期間離れたことがなかったので、離れてわかる、当たり前の良さも感じました。当たり前の日々を大事にすることは一度当たり前を離れてみたらさらにわかると思います。地元の大切さも地元を離れてからもっとわかるのかなとも思いました。

帰りたいと思う場所があって、ここにいたいという場所もあって、あいたい人もいれば別れたくない人もいるということのすばらしさにも気づきました。

この記事を書いている時、仲良くなった韓国人の友達からLINEがきたりしました(内容はいきなり shungo,u r uck!!!でしたが笑)

数日後には台湾の友達が札幌に遊びに来てくれたりもします。国境はあるけれど、こうやって関係が続いていけば良いと思います。



(7)FSPときっかけ
何かをしようとか、何かをしたいと行動を起こすとき、僕の中で一番大切だと思うのは、自己啓発書を読むことではなく、「自分の周りの当たり前を変えること」だと思います。

 そして、僕はそれがFSPに参加することの一番のメリットだと思います。高校時代や大学初期のころの自分の周りの当たり前に「海外」はありませんでした。海外に行く人はなんだかそれだけですごくも見えたし、ゼミの先生の経歴の中で一番魅力的におもえたのは、大学生時代、海外一人旅を一ヶ月したということでした。初めての海外経験は大学生協が主催する「テーマのある旅」でカンボジアにいったことですが、その申し込み書を出すときものすごく震えていたことを覚えています。その頃の僕にとって海外経験は「特別」であり、なんかいってしまえば「海外=すごい、遠い」というものが頭にありました。
 
 しかし、今では違います。まわりの中でそういう経験をする人が増えていく中で(FSPに限らず高校の友達も)、逆に英語以外も大切なことばかりだとか、日本って実は素晴らしいのではないかとか、なにより海外がものすごく身近に感じました。僕はよくもわるくも人に影響されやすいたちなので、周りの環境が僕を決断させてくれたといってもいいと思います。もっとも重い決断というよりは軽い決断に感じもしましたが。

 当たり前がかわっていけば、自分だけが特別じゃなくなれば、謙虚になりますし、へんな優越感は生まれませんし、行動に出やすくなると思います。自分1人でがんばること、がんばれる人はそれでもいいですが、自分が特別だと思ってしまうことは他人を低く見てしまうこととか、へんな優越感にもつながると僕は思います。

 あとはひとつひとつきっかけを大切にするということです。今自分がしていること、あった人、おこったことなどを次にどうつなげるか。そういう考えはFSPで僕はうまれました。そもそも、僕が初めて海外へいこうとおもったのは中学時代の友達に専門学校での発表会に招待されたからです。「自分の専門学校で得た成果をみてほしい」といわれ見に行った発表会で僕は焦りました。僕はなにか大学生活で誰かに見せたい成果というものは得られるのだろうか。的なサムシングです。これが最初のきっかけとなりました。
FSPのあと僕は内閣府の主催する「日本・アセアンユースリーダーサミット」というものに参加しました。(参加する予定でした)そのようなものに参加することは今までの自分には考えられなかったのですが、そのきっかけとなったできごとは、FSPで、ある人が参加しようとしていたからでした。

 しかし、そのサミットの時僕はマイコプラズマ肺炎にかかってしまい、わずか1日でリタイヤしました。ですが、このフィリピン留学のことを参加者からきけたり、休学したりして参加している方に多く出会えたので、サミットは休学やこの留学の1つのきっかけになりました。もちろんFSPの過去の参加者の中でフィリピン留学を経験済みの方がいたのも大きかったです。

 また僕は今後、アジアを旅行する予定ですが、それもフィリピン留学時であった台湾人と再会するという目的もありますし、サミットでASEANというものについての意識が芽生えたからだと思います。

 「これはなにかの運命ではないか」とか「これはなにかのきっかけにしなければならない」と考えることは、今自分がもっているものや、これから出会うものへの見方を変えることだと思います。(もちろん僕も毎日そう張りつめているわけではありません。笑)
この考えはFSPに参加したことをきっかけとしたことで生まれたと思います。





FSP出発から一年たち、第4回参加者が旅立ち、フィリピン帰国から一ヶ月たち、あらためて振り返ってみました。もはや誰かにみせるためではなく、書いているうちに自己満足・自分のための整理になってしまいました。本当にまとまってない文で申し訳在りません。読んでくださった方々本当にありがとうございました。なにかご質問が在れば遠慮なくどうぞです。FACEBOOKでもブログでもお気軽にどうぞ!

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